元日系大手航空会社CA採用担当が伝えるエアライン就活ココだけの話
客室乗務員にとって健康診断は何故重要視されるのか? 何を見ているの?
採用試験で健康診断や体力検査があるのは客室乗務員とパイロットくらいですね。
CAにとって健康体であること、体力があることは必要不可欠な条件であることは仕事の特殊性や働く環境から通常とは違うことはお分かりかと思います。
先回、身長に意味があることをお伝えしましたが、では健康診断と体力測定は何をみているのか、それがどういう意味を持つのかをお伝えします。
●腰痛や中耳炎になりやすい要素防止は欠かせません
CAの職場は航空機の中であり、上昇降下状態の中を常に歩きサービス時は重いカートを扱い、食事や飲み物の提供をする際にはこぼさないように体の重心をしっかりとしバランスをとってスマートな姿勢をとることに留意しています。
急な揺れにも安定を保つ必要もあるため客室乗務員の動作は地上におけるサービスの動きとは異なります。
★整形外科では
触診のみならずレントゲンで背骨の状態を診ます。(会社によっては前後左右で2枚撮るところもあります)
ヘルニアはないか、すべり症はないか、異常に背骨は曲がっていないか等ですが、自覚症状がない隠れヘルニアはレントゲンに写ります。将来痛みとして出てくる可能性があり心配です。
側湾曲は25~30度くらいになると外観でも姿勢も曲がりわかりますし、業務ではどちらかに負荷がかかり腰背痛の要因になることから心配となります。
どちらも運動等で筋力がある方は症状として現れることなくカバーできる場合があるので、体力検査や運動履歴等で総合的に判断します。
★耳鼻科では
極端な鼻中隔湾曲ではないか(鼻がつまりやすくないか)、耳に圧をかけ耳管のとおりに異常ないか等を診ます。ここに支障があると航空性中耳炎になりやすく乗務には不適切となります。(飛行機や高速エレベーター等で耳が詰まることがありますが、痛みが抜けないとか耳抜きができないという場合は心配です)
実際にCAは風邪気味だったり、扁桃腺が赤くなっているといった状態でもフライトをすると航空性中耳炎になり乗務停止となります。
日頃から手洗い・うがいは欠かせません。
上記までは航空機乗務という特殊性からくる検査の特徴的な事例を紹介しましたが、他に、採血で極端な貧血症状がある場合は再検査をする場合があります。
貧血気味のかたは今から鉄分を摂る食事に留意してくだい。
健康診断時には体調万全で臨む必要がありますので、風邪には充分に注意して、ダイエットなどをすると異常がでますのでいつも通りの健康体で臨んでくださいね。
●ある程度の体力は必要不可欠です
体力測定では、重いボールを上げ下げしたり、投げたり、シャトルラン、踏み台昇降、腹筋、平衡感覚、長座体前屈などがあります。
適度に体が柔軟で反射神経や足腰の力を確認しますが、日頃から歩くとか、家事で体を動かす等で若いみなさんなら支障はないことと思います。
一度、信じられないことですがどうしても腹筋が一度もできなかった方がおりました。
CAは力持ちでなければ仕事にならないので、か弱過ぎで不向きということで残念なことになったという事例もありました。腹筋は2次試験でも確認することもあるようなので通過したかたは大丈夫ですよ。
色々心配な方は、歩く・ジョギング・ラジオ体操・ヨガ等全身をほぐす運動などで体を動かし、骨盤のゆがみは姿勢にも影響をおよぼすので整体等で体メンテナンスをすることも有効かもしれません。
会社によって健康診断・体力測定内容は異なりますが、要は健康体であることがCAには求められているということですので、心身ともに健康で元気であることに努めてください。
健康であってはじめて素敵な笑顔も気付きも発揮できるものですよね。(^。^)y-.。o○
もう一つ、会社としては健康で長く働き続けてほしいとの想いもあることを知っておいてください。